タクシーは客がヤクザでも乗車拒否はできないのか?客を選ぶ方法とは

タクシー運転手は客がヤクザでも乗車拒否はできないのか? タクシードライバー
タクシー運転手は客がヤクザでも乗車拒否はできないのか?


タクシー業界において、乗客の選別は常に微妙な問題です。特に、「客がヤクザのような風貌だったら、乗車拒否は可能なのか?」という疑問は多くのドライバーにとって切実なもの。

この記事では、タクシー業界の乗車拒否のルールと、実際に客を選ぶ際の法的・倫理的なガイドラインについて解説します。

タクシー運転手は法律上、乗車拒否はできない

タクシー運転手が乗車拒否をすることは、一般的には法律上認められていません。この背景には、タクシーが公共交通機関としての役割を担っていることが大きく関わっています。日本において、タクシー業務は道路運送法に基づいて規制されており、この法律はタクシー事業者に対して公共の福祉に貢献する責務を課しています。

具体的には、道路運送法第四条に「運送の公共性」という項目があり、これによりタクシー事業者は、安全かつ適切なサービスを提供し、不当な差別をしてはならないとされています。

乗車拒否ができる場合

タクシー運転手が乗車拒否をすることは基本的に許されていないものの、特定の状況下では乗車拒否が可能です。これには、具体的なケースがいくつかあります。

一つの例として、乗客が非常に酔っている場合が挙げられます。酔っ払いの乗客が乱暴な振る舞いをする可能性がある場合、運転手や他の乗客の安全を守るために乗車を拒否することが許されます。また、乗客が感染症の症状を示しており、他の乗客や運転手に健康上のリスクをもたらす恐れがある場合も、乗車拒否が可能です。

さらに、乗客が明らかに暴力的な態度を取っている、または運転手に対して脅迫的な言動をしている場合も、安全確保の観点から乗車拒否が認められることがあります。

これらのケースでは、運転手の安全と公共の福祉を守るために、例外的に乗車拒否が許されています。しかし、これらの状況を除き、タクシー運転手は不当な差別を理由に乗車を拒否することは法律上許されていません。

トラブルになるケースも


タクシー運転手の乗車拒否に関する興味深い裁判例を紹介します。

ある寒い日、タクシー運転手Cは、運転中に運転席の窓を大きく開けたまま走行していました。これに対し、乗客Dから何度も窓を閉めるよう要求されましたが、Cはこれを無視し続けました。その結果、乗客Dは怒り、「窓を閉めろ」と強く言い、運転手の対応を強く非難しました。これにより、Cは車を停め、「別のタクシーをご利用ください」と乗客Dの継続乗車を拒否しました。

この行動について、関東運輸局は、適切な理由がないと判断し、タクシー会社に対して、該当車両の30日間の使用停止処分を下しました。これに対し、タクシー会社は不服として損害賠償を請求しました。

裁判所は、冬の夜間に窓を全開にする運転手の行為は不適切であり、乗客Dが窓を閉めるよう強く要求したことは理解できると判断しました。また、乗客Dが窓を閉めるよう要求しただけで、運送を拒否するのは不当であるとし、タクシー会社の損害賠償請求を退けました(東京高裁平成13年10月1日判決)。

この事例は、タクシー運転手の乗車拒否の適法性を考える上で重要な参考になります。

タクシー運転手が客を選ぶ方法とは

事前予約システムの活用

タクシー会社や運転手が事前予約システムを利用することは、客を選ぶ有効な方法の一つです。このシステムでは、乗客が事前にタクシーを予約し、その際に乗車場所や目的地、乗車時刻などの情報を提供します。運転手は、予約情報に基づいて乗客を選ぶことができ、不明瞭な乗車要求や不適切な乗客を避けることが可能になります。また、事前予約は乗客と運転手の双方に安心感を提供し、スムーズなサービス提供につながります。

運転手の裁量に基づく選択

タクシー運転手は、乗客が明らかに酔っている、暴力的な態度をとる、感染症のリスクが高いと判断される場合など、運転手や他の乗客の安全が脅かされる恐れがある状況で、乗車拒否をすることが許されています。このような状況では、運転手は自身の安全や他の乗客の安全を考慮して、乗車を拒否することが可能です。ただし、この選択は客観的かつ合理的な基準に基づく必要があり、不当な差別を避けるために慎重な判断が求められます。

安全基準の設定と遵守

タクシー会社が特定の安全基準を設定し、それに基づいて乗客を選ぶ方法もあります。例えば、夜間の運行時に特定の地域への乗車を制限する、あるいは一人での乗車のみを受け入れるなどの基準を設けることが考えられます。これらの基準は、運転手と乗客の安全を確保するために設けられるもので、公平かつ透明な方法で適用されるべきです。安全基準の設定は、乗客に対しても明確に伝えられ、理解される必要があります。

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