設備管理業界で高年収を謳う中小企業が増えていますが、その背景には見過ごせない「訳」が隠されていることも。
この記事では、魅力的な給与背景の真実と、応募前に押さえておくべきポイントを実際の求職者の方の体験談をもとに皆さんにお伝えできればと思います。
ご経歴
大学の電気学科を卒業後、設備管理のキャリアを20年以上積み、外資系で設備管理職をしていた50代男性の話です。
3年前から太陽光のEPCやO&Mを手掛ける外資系企業で働くも、森林法を破った伐採活動やそれに伴う近隣住民からの苦情対応など、倫理的に心が痛むような会社の方針が多く、転職を検討していました。今までのご経験から、外資企業はコンプライアンス意識が低かったり、簡単に首を切られてしまうため、国内の企業で働きたいというご希望をお持ちでした。
年齢 | 58歳 |
居住地 | 神奈川県大和市 |
最終学歴 | 大学卒(電気) |
経験社数 | 8社 |
保有資格 | 電験2種、電工1種、1級土木施工管理技士 |
経験 | 新卒で半導体メーカに研究員として就職。その後外資系を中心に設備管理員 |
現年収 | 750万円 |
転職エージェント目線では、転職回数の多さとマネジメント経験の少なさから、日系で現職と同じ金額が出る企業を探すのはなかなか難しいという印象でした。
当時、転職市場に太陽光のO&Mの求人が多数出ていたことや、この方が勤務地のこだわりはなかったため、可能性は0ではないという印象でした。
大手は書類NGもしくは、契約社員で大幅年収ダウンの提示
資格や技術力はある方なので、企業から興味を持ってもらえることは多かったのですが、書類選考時に現年収と同じ金額は出せないという話をもらうケースがほとんどでした。
選考を進む中で大手系列系で太陽光のO&M案件を多数保有する企業から、オファーはもらうも、提示額は500万円ほど。ご本人としては納得がいかず辞退となりました。
ここから、ベンチャーや中小企業も含めて幅広く求人を探す方針に変更しました。
ベンチャー2社から内定!
中小やベンチャー企業も受ける方針にシフトしてからは、希望年収でも提示できるという会社との面接も増えていきました。
結果的に3社(東北、北海道、九州)から内定をもらい、北海道の電験2種の案件での募集をかけていた100名ほどのベンチャー会社に入社することに決めました。引っ越しも伴うということもあり、年収850万円でのオファー受諾となりました。
最初は順調だったが、1年後に会社が経営危機を迎える…
転職後、最初は今までのご経験から、即戦力として順調に業務をこなしていたようです。会社からの評価も高く、ご本人としてもかなりやりがいを感じていたようです。
しかし1年後、突如電話が…
話を聞くと、会社の業績不振で給料の未払いが続いているとのことでした。受託した案件の振込がされていないため、従業員に支払いができないという説明を受けたとのことでした。仕事を紹介した立場として、申し訳ないという気持ちとなぜ事前に気づくことができなかったのかという自責にかられました。
その後、会社の資金状況は何とか立て直したようですが、当初のように順風満帆な経営というわけではないようです。
教訓
中小、ベンチャーの設備管理職で高年収の場合は何かしらのリスクがある
中小、ベンチャーの設備管理職で高年収の場合は何かしらのリスクがあると考えたほうがいいです。
今回のように、中小企業やベンチャーの場合、資金基盤が不安定なため取引先の支払い遅延で経営悪化するケースもあれば、大型案件がなくなったことによる赤字、過度な資金投資による赤字など様々な理由で、大手以上に会社倒産となるリスクがあります。
高い給料が支払われる場合は、会社の利益率が高いなどポジティブな理由と、その金額を出さないと現場が回らない・会社が転職市場の相場を理解していないなどネガティブなケースがあることを十分に理解することが必要です。
もちろん大手に比べて職位や給料、市場価値が上げやすい会社が多いのも事実なので、転職に何を求めるのか、何を捨てるのかを理解したうえで選択することが重要です。
落ち目の業界に行くとその後の転職が大変
一昔前の、大規模な太陽光発電案件のように、一時高年収が出るが今後市場の低迷が見込まれる・業務内容を踏まえると市場価値は上がらない求人に、熟考せずに飛びついてしまうと、その後後悔するケースがあります。
今回は会社倒産を免れましたが、太陽光関連の企業ではここ数年で倒産している会社も多く、太陽光以外の業務経験が薄い人だと、年収ダウンは免れないという状況に陥っている方が多いです。
もっと細かい情報を知りたい方は
詳細な情報を知りたい方は、転職エージェントに聞いてみることをおすすめします。「自分の経歴であれば、どんな経験を積めば希望年収をかせげるか」など一般論ではなく、自分の理想実現のためのプランを一緒に考えてくれます。
また、そのほかにも企業からネットには上げないでくれと念押しされている情報や、採用過去在籍者の口コミなどを知ることができるからです。(私もここにかけない情報がいっぱいあります笑)
転職エージェントからみて、おすすめのビルメンエージェントをまとめた記事があるので参考にしてみてください。
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