ビル管理士の資格を目指す方々が直面する最大の疑問は、その難易度という山です。
この記事では、ビル管理士試験の合格率と、資格取得後の年収について詳しく解説します。果たしてビル管理士は難しいのか、そして合格後の見返りはどの程度あるのか、その真実に迫ります。
ビル管理士の合格率と合格基準
合格率は10~20%台
ビル管理士の試験合格率は年によって変動がありますが、おおよそ10~20%台で推移しています。
過去データを見ると、合格率が高かった年の翌年は落ちる傾向にあります。この傾向は過去10年よりさらに前の年を見ても表れており、ビル管理士の一つの特徴といえるでしょう。
また、受験者数はおおむね1万人前後で推移しています。過去10年間では人数に大きな変動はありませんが、2000年以前は8000人未満の受験者数であったことから、ビル管理士の需要は以前より増加傾向にあると考えられます。
兼任要件に関する令和4年の法改正もあり、ビル管理士の需要の増加やそれに伴う受験者の増加が予想されます。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2012年(平成24年) | 10,599人 | 3,467人 | 32.7% |
2013年(平成25年) | 9,441人 | 1,000人 | 10.6% |
2014年(平成26年) | 10,095人 | 2,335人 | 23.1% |
2015年(平成27年) | 9,827人 | 1,861人 | 18.9% |
2016年(平成28年) | 10,394人 | 2,956人 | 28.4% |
2017年(平成29年) | 10,209人 | 1,387人 | 13.6% |
2018年(平成30年) | 11,096人 | 2,339人 | 21.1% |
2019年(令和元年) | 10,146人 | 1,245人 | 12.3% |
2020年(令和 2年) | 9,924人 | 1,933人 | 19.5% |
2021年(令和 3年) | 9,651人 | 1,707人 | 17.7% |
合格基準
ビル管理士試験の合格には下記の2つを満たす必要があります。
合格基準は得点率65%以上
ビル管理士試験では、全問題の65%以上正解することが合格の条件です。つまり、180問中117問以上を正解する必要があります。他の国家試験に比べて、この65%という基準は少し厳しい方です。試験には、基本的な問題から専門家でも難しい問題まで、さまざまなレベルの問題が含まれています。
科目ごとの得点率40%以上
ビル管理士試験は7つの科目に分かれており、各科目で40%以上の得点を取る必要があります。もし1つの科目でも40%未満の得点だと、全体の得点が65%以上でも不合格になります。特に「建築物の構造概論」と「ねずみ、昆虫等の防除」の科目は問題数が15問しかないため、少しの間違いで不合格になるリスクがあります。
ビル管理士の試験概要
科目・出題範囲
ビル管理士試験の科目は、「建築物衛生行政概論」「建築物の構造概論」「建築物の環境衛生」「空気環境の調整」「給水及び排水の管理」「清掃」「ねずみ、昆虫等の防除」の7科目です。
出題形式
ビル管理士試験の出題形式は、マークシートによる四者択一です。
試験時間
ビル管理士試験の試験時間は、午前の「建築物衛生行政概論」「建築物の環境衛生」「空気環境の調整」が3時間(9:30~12:30)、午後の「建築物の構造概論」「給水及び排水の管理」「清掃」「ねずみ、昆虫等の防除」が3時間(13:30~16:30)です。
受験料
ビル管理士試験の受験料は、13,900円(非課税)です。
試験会場
ビル管理士試験の試験会場は、札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、福岡市の6箇所です。
ビル管理士の受験資格
ビル管理士を受験するには、2年の実務経験が必須になります。
実務経験としてカウントできる施設・建物、業務は全て規定されており、該当していない場合は受験することができないため注意が必要です。
実務経験としてカウントできる施設・建物
No | 詳細 |
---|---|
1 | 映画館 |
2 | 百貨店 |
3 | 公民館、市民ホール |
4 | 図書館 |
5 | 商業施設 |
6 | 博物館 |
7 | マンション、アパート |
8 | 旅館、ホテル |
実務経験としてカウントできる業務内容
No | 詳細 |
---|---|
1 | 空調設備管理 |
2 | 給排水設備管理 |
3 | ボイラ設備管理 |
4 | 電気設備管理 |
施設・建物の面では、駐車場や工場などは含まれないものの、住居に関するものや商業施設、公共施設などは業務経験としてカウントすることができます。
ビル管理士の年収
正式には建築物環境衛生管理技術者ですが、一般的にビル管理士と呼ばれるは、平均年収は350万円から450万円程度です。これはビルメン業界全体の平均年収が300万円から350万円であることを考えると、資格を持つことが給与面でのアドバンテージになっているといえます。しかし、日本全体の平均年収が約430万円であることを踏まえると、決して高収入とは言えない状況です。
この平均値には正社員だけでなく、非正規雇用者も含まれています。正社員のみを対象にすると、平均年収はさらに高くなると予想されます。特に、都市部では高収入を得ているビル管理士も少なくありません。一都三県では、450万円以上の年収を得ているビル管理士も珍しくないというのが、転職エージェントの印象です。
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